フィレンツェという街
2010年 01月 27日
‘ヴァザーリの回廊’とは、メディチ家が公務を行うヴェッキオ宮殿と、私邸のピッティ宮殿を結ぶ約2kmの空中回廊です。市民とは顔を会わせることなく、自宅と公邸を往復する専用通路。途中に、アルノ川という川をまたぐのですが、橋の上の店舗の2階がその回廊です。出来た当時、店舗は肉屋が多く臭かったので、メディチ家はそこに貴金属商を移転させ、それが今も続いています。ヴァザーリとはルネサンス期の画家ですが、ルネサンス絵画史を編んだ人でもあります。
十数年前までは、特別に許可をもらえた人にしか見せてもらえなかったのですが、その後毎土曜日週一回に限り、一般の人も予約をすれば見せてもらえるようになり、そして昨年の秋から約十年におよぶ大改修工事に入るにあたり、その予約制限がゆるくなって、一回15名ほどで1日6回まで見学できるようになっていたのです。ところが工事の着工が遅れ、今年の3月まで見学出来ることになっていました。しかし、木曜はその日に当たっていませんでした。以前、ウフィッツイ美術館からその回廊へ続く階段を、道を間違えたふりをして何歩か踏み入れたことがありましたが、係員から制止されてしまいました。残念と言うしかありません。
フィレンツェの街は、中心のドゥオモ(司教さんのいる教会をドゥオモといいます)から歩いて10分位でめぼしい見学先に行くことができます。旧市街はそれほど小さい街です。しかし、歴史的には非常に重要な街です。街全体が世界遺産に指定されているのはもちろんですが、今もルネサンス発祥の頃の街並みが残されています。夜、この街を歩いてごらんなさい。15・6世紀の世界史の中にいるような気がしますから。
by jf1ebpkh
| 2010-01-27 21:47
| 旅
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