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日記


by JF1EBPKH
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修復

  考えてみれば、百済観音も阿修羅も今のところにずーとあったわけではありません。東大寺の法華堂などは収蔵庫代わりに使われていたこともあって、仏像で須弥壇は満員御礼。そのために壇が崩れてしまったのかもしれません。
 修復_e0116694_23275081.jpg しかし、薬師寺が創建当時に復元されたからといって、やはり以前の見慣れた景色が変わってしまったことには違和感があります。論理ではなく感情の問題です。興福寺も創建当時に復元されて、阿修羅も八部衆も中金堂に収まってしまうのはもう決まっているようですが、それをどう見たらいいのでしょう。
  先日読んだ岩波新書『法隆寺』の著者上原和先生は言っていました。今はお寺も仏像を文化財としか見ていないと。見る側の私としても、敬虔な仏教徒とは言えませんが、宗教的な有難さは残しておいてほしいと思います。
Commented by 藪内頭角 at 2010-03-06 02:02 x
修復とは、創造なのです。また、元の形は常に変化しているのです。これを諸行無常といいます。
そんなこんなで、見慣れた形が変化したとしても、どんな形であれ、残すための知恵なのです。
現に、仏像修復の専門家が、儀軌を無視して仏像の讖(しるし)をもっている人形に角をはやしても、創造ですまされるのです。
この人の修復した仏像はきっと、ひそかに自分の創造をいれていることでしょう。もとのように復元などするわけがありません。
by jf1ebpkh | 2010-03-04 23:15 | 趣味 | Comments(1)