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日記


by JF1EBPKH
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勘定奉行 川路聖謨(かわじ としあきら)

   今回の奈良京都行の携行本は、吉村昭著『落日の宴』(講談社文庫)。前々から読みたかった本でしたが、絶版にでもなったのか、なかなか手に入らず、神田の古本市でようやく見つけた本です。文庫本でも500頁を超す分量なので、結構読みでがありましたが、そろそろ終盤に入っておりました。
    ある人によれば、明治の大久保利通に匹敵する官吏という人もおり、幕末にロシア、アメリカとの開国交渉に直接係わった人であり、日本が植民地化されなかったのはこの人の交渉力、洞察力によるものが大きいと言われてはいますが、私自身ほとんど知らない人でした。吉村昭さんの著作は感情がはいらず、淡々と事実関係を述べていくので、報告書を読んでいくようですが、伝記はその方が望ましい。阿部正弘、堀田正睦、井伊直弼と政治の中枢は代わって行きますが、幕府の勘定方の下役から勘定奉行の首座にまで出世していくのは氏の努力の賜物そのものでしょうが、今TPP問題で政府もお役人も頼りにならず、川路聖謨のような官吏が出て来てほしいものです。

落日の宴―勘定奉行川路聖謨 (講談社文庫)

吉村 昭 / 講談社


by jf1ebpkh | 2011-11-21 21:11 | | Comments(0)