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日記


by JF1EBPKH
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金剛能楽堂

金剛能楽堂_e0116694_21371458.jpg  金剛、金春、観世、宝生、喜多と、能の五流のうち、金剛流以外はすべて東京に移籍してしまったのに、この流派だけが京都に残りました。その本拠にて、今回は装束の説明と着付けを見せていただけるというので、門外漢の私としても習わぬ経を学ぶ思いです。鑑賞してくださいと言われたら飽きてしまうでしょうが、昨年は秀吉伝来の面まで見せていただいたとかで、ちょっと期待しての訪問です。
  能楽堂に入りますと、装束が衣桁に架けられて並んでおります。そして舞台や橋懸かりにも。いいんでしょうか、こんなに出していただいて。袖の大きい長絹や、厚板唐織。きらびやかです。
  二六世宗家金剛永謹(ひさのり)氏みずから装束のご説明をいただきましたが、装束の名称やきまりごとなど、初めて伺うことばかり。能の場合、衣装ではなく装束。着るのではなくつけるなど、素養のないのが悔やまれます。
金剛能楽堂_e0116694_22391983.jpg  後半はその装束をつけるところ。鬘はかづらといい、馬の尻尾の毛で作られており、髪型は本人が櫛を入れるのだという。鉢巻のような金襴の布を巻き、面を付けてしまうので歌舞伎のような異形の髷は無いのでしょうが、装束つけは本番の30分前位から始めるというのはちょっと驚きでした。舞妓さんの衣装付けも、男衆(おとこし)がいないと帯が締められませんが、能装束も男二人がかりです。帯はなく、紐だけですが、とても一人での着付けは無理です。現在の和服とはかなり着方が違いますが、装束の色、着方などで役どころ、年齢、身分などに決まりごとがあります。形の美学でしょう。
今回は装束だけですが、能を巡る匠達は、面、鳴物(楽器)、鏡板(舞台)など、いずれも決まりごとの世界ですが、はずせません。
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左:上村松篁(松園の子、淳史の父)氏原画の鳳凰  右:絽地金糸秋草文様 翌々日、これを織っている工房に行きます
 
by jf1ebpkh | 2011-12-12 22:53 | 仕事 | Comments(0)