西安への思い
2012年 04月 10日
久しぶりの大型連休が近づいて、またどこかへ行こうなと思っていたところ、娘と連れ愛はさっさとロスアンゼルスの予約を取ってしまい、私は盆栽の水遣りと、ねずみのジャンガリアン、それに金魚、熱帯魚の餌係に指名されて、留守番をさせられてしまいました。
西安は何回か行ったことがあるのですが、自分なりの時間でもっとゆっくり見ておきたい所であります。西安はかっての長安。今さら言うまでもなく、大唐の都。それ以前に、西周、秦、漢、隋など十数の王朝が都を置いたところであります。1974年に発掘された兵馬俑を初めとして、秦の始皇帝陵、則天武后と高宗の墓である乾陵や唐の皇帝達の昭陵、茂陵。また玄奘三蔵由緒の大雁塔・慈恩寺。また阿倍仲麻呂を初めとして、かって遣隋使、遣唐使などが憧れた都であります。白居易が長恨歌に詠み、楊貴妃が凝脂を洗った華清池(蒋介石が捕われて国共合作が成立した西安事件の現場でもある)もそのままありますし、墓も残っております。千年をこえる都の地は、歴史的な遺跡は限りありません。2~3日の滞在ではとても見切れるものではありません。空海も円仁も憧れた長安です。私だって憧れます。
初めて西安に行ったのはもう二十年以上も前になります。敦煌の遺跡を見、蘭州から天水を回って麦積山から列車で西安に着いたのは深夜でした。西安駅に着く直前、憧れていた町にやっと来られたと列車の窓から外を眺めていると、突然目の前が真っ暗になり、何も見えなくなりました。線路が西安を囲む城壁のすぐ下を走っていて、まっ黒な城壁が視界をさえぎったのでした。その感動は忘れられません。フィレンツェに初めて行った時もそう感じたのですが、中世以前の古都は、電灯の灯りが少ない夜に入場した方が趣が増すようです。
始皇帝陵も乾陵もまだ発掘されてはおりません。中国史でも、稀に見る権力を握っていた皇帝の陵墓です。それぞれ推定500トン以上にも及ぶ副葬文物があると言われておりますが、発掘品の保存方法が定まっていないため掘ることが出来ないでいるのです。王羲之の蘭亭序の真筆が埋まっているかも知れないのです。始皇帝陵には、地下に水銀の海が広がっているかもわかりません。兵馬俑をしのぐ大軍団が周囲を守っている可能性もあります。はたして、それはどのような光景でしょう。
行きたい思いがつのります。 始皇帝陵 乾陵
by JF1EBPKH
| 2012-04-10 22:39
| 旅
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