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日記


by JF1EBPKH
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今月の芸大美術館・東博2

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今月の芸大美術館・東博2_e0116694_11384897.jpg  芸大美術館は、また後日書きたいこともあるでしょう。次は東博です。平成館では『鳥獣戯画展』を開催しております。昨秋、京都で開かれている時は、入場2時間、絵の前は4時間待ちということで、目の前まで行っておりましたのに諦めましたが、今回はそれよりも本館で新年度の国宝、重文指定の展覧があり、法隆寺の焼失した金堂壁画の、焼失する前に撮影された便利堂のガラス乾板が出ているというのです。東大寺の試みの大仏や平治物語絵巻、自在など興味が惹かれます。鳥獣戯画は見られればという心づもりです。見たいのに見られなかったのは悔しい思いだけですから。
  試みの大仏は、奈良博では毎度見ているのに、場所が替わると印象も変わります。ましてや国宝となるとありがたみが増して見えます。初めて聞く地方の寺と仏像は、今日見ておかねば、一生見ないかもしれません。
   下の写真が自在の龍です。単なる置物ではなく、鱗や手足が自在に動くように作られているから自在細工と呼ばれ、略称が自在。自在鈎の自在ではありません。先ほど芸大で、日本最大の2mを超える高石重義作の龍を見てきたばかりなので、向こうのほうがすごいと思いますが、こちらは甲冑の名門明珍一派の作。今では明珍火箸風鈴のほうが有名になってしまいましたが、明珍家は金属片を縅(おどし)でつないだりして、曲がらない金属をいかにして曲げえるかという難題を成し遂げてきた金属工芸の名門です。徳川時代になって戦乱が無くなり、甲冑の需要が無くなると技術保存と生活の糧のため、置物として龍や蛇、百足やカマキリ、蝶など、間接が動くように工夫された虫たちが作られました。もう超絶技巧そのものです。実際に動くところを見せたり、触らせてくれればもっとたくさんの人が興味を持ってくれるでしょうに、展示してあるだけでは置物と変わりません。それが誠に残念です。小中学生に見せたら、絶対第二、第三の明珍が出てくると思うのですが。
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今月の芸大美術館・東博2_e0116694_11421331.jpg今月の芸大美術館・東博2_e0116694_11435158.jpg  
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  さて、平治物語絵巻です。「三条殿焼き討ち」など、迫力ある名場面はボストン博物館の所有になっていますので見られませんが、これは徳川家に伝わってきたもの。退色しているのでしょうが、まだまだ美しく、800年前に描かれたものとはとても思えません。よくぞ伝わってきたと写真をバチバチ撮ってしまいます(東博は写真撮影ダメという表示があるもの以外、原則フラッシュや三脚を使わなければ撮影可能です)。2階の最後の部屋には、明治時代に模写された鳥獣戯画が展示されています。平成館展示のものと同じく4部構成。しかし、こちらは写真取り放題。模写時の修正部分などもわかります。違うのは髙山寺の朱印がある個所が、薄く朱枠だけになっているだけ。戯画自体単純な線だけですが、丁巻の荒々しく稚拙なとも思えるまったくタッチが違う力強い速筆で描かれている部分などは、筆致があるだけに相当な力量がないと模写すらもできません、という解説です。さもありなんと感心してしまいます。
  一通り見て回ってくると6時を少し回っていました。本館を出て、東博の入場口にある平成館の混雑状況を見ましたら、入場0分、鳥獣戯画前まで110分と出ていました。今から2時間。閉まってしまうのではないかというより、もう足が疲れていて、これから2時間は耐えられそうにありません。
 
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Commented by ルパンのぞき4世 at 2015-05-10 19:42 x
実は、4月23日に『鳥獣戯画』展を見てきました。
エ!4月28日からの開催じゃないの?内覧会でさえ前日の27日のはずなのに。
そこが“ルパンのぞき4世”のすごい所です。
5月19日から展示換えで、後期がはじまりますが、なんと5月18日にも、潜入して後期分を見て参ります。
何時間もならんで待ってみても、どうせ、2700円もするカタログほどよく見えませんので、むだな努力をしなくて済んだと思ってください。
世の中には、タイミングのよいうまい仕事があるものです。
Commented by JF1EBPKH at 2015-05-10 23:09
 推察しますに、展示品(鳥獣戯画)納入、入れ替えのため、ショーケースのガラスの入れ替えではございませんか。でも、役得ですよね。仕事中なので、思う存分とはいかないまでも、きちんと仕事が出来ているか、庭師が一服しながら全体を俯瞰するように、会場を見て回れるのですから。どんな仕事にも役得というものはあるのですね。
by JF1EBPKH | 2015-05-09 23:22 | 趣味 | Comments(2)