お伊勢参り3
2015年 09月 28日
さて翌日は、名古屋市内見学です。私が行ってみたいところは、徳川美術館と名古屋城。連れ愛は、どこでもいいとのこと。赤福とか、お土産が買えればどこでもよろしいらしい。
なぜ徳川美術館かというと、もちろんまだ行ったことがないということと、公共交通機関ですと、最寄駅から15分くらい歩かなくてはならないので、不便なのです。なので、1日500円で、名古屋の観光ルートを巡るバスがあって、それが便利なのですよ。ルートは、名古屋駅発着で、トヨタ産業技術記念館⇔ノリタケの森⇔名古屋城⇔徳川園⇔栄界隈。乗り放題で、どこから乗っても降りても可。バスの車内では、ボランティアガイドがいろいろ案内してくれます。これはお奨めです。
トヨタ紡織の本社工場跡地にあるトヨタの産業記念館は、一度いらしてください。豊田佐吉以来の日本の繊維工業から、世界のトヨタ自動車へ至る企業の歴史がわかります。入口のロビーにある無縫製自動織機は、簡単に言えば編み機を円筒状にしたものと思えばいいのですが、中に展示されているたくさんの自動織機類に驚いてください。すべて動態保存され、専門の職人がいて、案内してくれます。この施設は、トヨタグループ各社が資金を出し合って運営しているのですが、さすが大企業は違います。道路を挟んで隣にあるノリタケの森は、ノリタケ・ボーンチャイナの本社工場跡地です。窯業のばい煙の関係で、工場は郊外に移ってしまいましたが、オールド・ノリタケから最新のIT関連のものまで展示しております。アウトレットの販売もあります。この2か所は、学生の研修で何度も訪れていますが、お奨めです。
徳川美術館には、源氏物語絵巻、初音の調度と呼ばれる漆芸の優品(先のブログ菊蒔絵貝桶一式の本歌など)が所蔵されております。残念ながら、今は茶器の特別展でしたので、これらの品々は見ることかないませんでしたが、2代光友公の遺構である隣接する徳川園など、近世大名庭園としては明るくて、壮大な感じがします。
それにしても、ご三家筆頭として武家としては将軍家に次ぐ格式でありながら、紀州も水戸も将軍を出しているのに、当家からは一人も出ておりません。代々実子に恵まれなかったことや、7代宗春公が将軍吉宗に敵対していたことなども関係あるのでしょうか。小説では、尾張家はあまりよく描かれておりません。付家老も同じです。55万石(最大62万石)という領国は、前田家、伊達家に次ぐ大大名です。清州城下をそっくり名古屋に引っ越しさせ、西国の各大名の参勤交代は城下を通さず、宮から桑名へは東海道を海上の道としています。どういうことなのでしょうか。
名古屋城は、昭和20年5月の大空襲で焼け落ち、天守は昭和34年代に鉄筋で再建され、いま本丸御殿が復興中です。唐破風のお車寄、式台は、二条城とそっくりです。作られた時代が江戸初期で、いまだ安土桃山時代の作風が残る時代であればこそでしょうか。しかし、復元模写された障壁画は、あまり良い出来とは思えません。特に樹木がまずいと思います。襖絵は疎開して保存されていたのですし、今回は薄紙で転写までしているのですから。樹幹の描き方が塗り絵です。樹皮、枝ぶりが梅なのか桜なのか、わかりません。河村たかし市長は、名古屋城を木造で再建したい意向ですが、その時は是非、障壁画も見栄えのするものに書き換えていただきたい。
隅櫓の棟鬼瓦の紋が菊です。
by JF1EBPKH
| 2015-09-28 22:14
| 旅
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