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日記


by JF1EBPKH
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王子の博物館2か所

王子の博物館2か所_e0116694_23512075.jpg  暖かな朝でした。春一番のようです。今朝は、大学の古美術研修の出発日。今回は添乗員はお役御免となって、私は東京駅でお見送りのみ。それが終われば、私の時間です。
  まず、旧東京中央郵便局へ。JPタワーの一部となった今、建物の外観も綺麗に洗われて、外も中も見違えるようです。でも今日は、4階にある局長室を見るためでもありました。ここから眺める東京駅がいいよ、と聞いたからです。しかし、11時まではコンファレンスか会議でないと上がれないという標識が出ています。仕方ない、局長室はまた次の機会にして、1階の切手売り場へ。そしたらなんと、先日ヤフーオークションで買ったばかりの鳳凰堂の切手帳をまだ売っていたのです。エー、っという思いでしたが、やはり、切手マニアからもそっぽを向かれ始めたんだな、と。
  さて次は王子です。本日のメインイベントです。国立印刷局で"すかし展"を見て、紙の博物館で江戸末期、パークスやオールコックがイギリスへ持ち帰った和紙資料の調べもののさわり。
  印刷局は、かっての大蔵省でノンキャリアがつける唯一の局長官庁でした。今は独立行政法人印刷局となって、以前と同じく日本銀行券、郵便切手、印紙、旅券、官報などを印刷しております。局長がノンキャリアかどうかは知りません。主たる印刷物も変わっていません。ここの建物の名称は『お札と切手の博物館』。以前は市ヶ谷の防衛庁の裏にありましたが、民主党の政権時代、ここに転居させられました。でも、王子は日本の製紙業発祥の地ですから、帰って来たようなところです。で、今回の展示は"すかし"。偽造防止のすかしです。
  私は、透かしがどのようにできるのか、金網の簀子とか抄紙技術の粋を見せてくれるのではないかと、大いに期待をしておりました。しかし、展示内容はほんの少しで、技術にかかわるものはなし。誠にガッカリです。写真も、入口奥の1億円の札束(約10kgあるそうです)を持ち上げるところだけ。この項の赤い百済観音の透かし絵も、これは紙の博物館に展示されているもの。まるで昔のモノクロ写真のように、濃淡のグラデーションが表現できています。ついこの前まで、黒透かしは法律で禁じられていましたが、法律が変わって、現在は許可制になったそうですが、その技術は公開されていません。お札の透かしは、決まった位置に、決まった濃淡で抄造されます。単純なマークや線なら簡単ですが、人物像などは簡単ではありません。抄紙技術が素晴らしいのです。王子の博物館2か所_e0116694_21484682.jpg
  ここには、凹版技術の粋も展示されています。銅板に彫刻するビュランや鉄筆。彫ったさいに盛り上がってしまう銅を削る道具や均す道具。紙幣を50倍に拡大して見せる顕微鏡も置いてあって、五千円札の樋口一葉の髪を彫った技に驚嘆させられます。
  今日は、昼ごはんも食べずに、2軒の博物館を各3時間居たことになります。朝から立ちっぱなしでいささか疲れました。
by JF1EBPKH | 2016-02-13 22:54 | 趣味 | Comments(0)