インドの印象
2017年 07月 31日
今夜のNHKBSで、『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(2011年、英国)というインドのジャイプールが舞台になっている映画があるから見ない?と連れ愛が言うので、今見ております。主演がジュディ・デンチ。007シリーズの、あのM役の女優さんです。英国から老年家族の一族が、気分転換に旅行をする話ですが、ジャイプールの風景がふんだんに出てきて、一週間前にいたところですから、少し懐かしい思いで見ております。
ジャイプールに限らず、インドの建築物はお城も宮殿も赤いインド砂岩で造られていますので重々しい感じがするのですが、その分白い大理石で造られたタージ・マハールは壮麗な感じがするのでしょう。
一方、庶民の方はバラックか、路上生活。もう死んだように大胆に歩道で寝ています。それは動物も一緒で、野良犬などは日本なら丸くなって寝ていますが、もうデレッと何の警戒心もない姿で寝ています。行き交う人々は皆無関心で通り過ぎるので、見慣れた光景なのでしょう。街角で赤ん坊を抱きながら煮炊きをしている家族が居ますので、ガイドさんに「あの赤ん坊はどこで産むの?」と尋ねましたら、「あれはジプシーですから、インド人ではありません」との答えでした。日本なら、学校はどうするの、戸籍はないのか、とかいろいろ心配事が思い浮かびますが、車窓から見る限りでは皆無頓着に見えます。ベジタリアンが国民の7割。識字率も約7割。宗教的にはヒンズーが約8割。仏教徒は0.7%しかなく、インド人は仏教をヒンズー教の一部とみなしているそうで、ヒンズー教には経典がありません。その点日本の神道に近く、自然崇拝で破壊神のシヴァ、幸せを司る象の顔をしたガネーシャなど、崇拝する神々は唯一神ではありません。その他イスラムもあり、害をする生き物さえ殺さないジャイナ教など、ゴチャゴチャの感じがします。インドに来たら、好きになるか嫌いになって帰るかのどちらかだとは、昔のガイドブックには書かれていましたが、どうなんでしょう。初めてインドに来たのはもう三十数年前になりますが、観光客がバスを降りると群がって手を差し伸べてくる超貧困層の人々。身体障害者、眼病、皮膚病、ライなどの病気持ち等はどこでもたくさん見かけたのに、今回はまれでした。コブラの蛇使いを見たのも一度だけ。手垢にまみれてよれよれで汚れて臭い紙幣。おつりをもらうのも、財布に入れたくもありません。しかし、このたびはそんな紙幣に出会いませんでした。モディ首相は消費税を0.5%あげて、ゴミの回収を始めたそうですが、プラゴミが町中に溜っております。牛や豚がそのゴミの中から食べられるものをあさっているのが、悲しい光景でした。
しかし、首都デリーは緑が多く、特に官庁街は公園の中にあるような街並みです。ネール首相以来親日的な国であり、ムンバイーアーメダバード間(約500km)の高速鉄道も買ってくれました。失業率は20%を超えているそうですが、この国の人口は中国に次いで13億人もいます。中国が一人っ子政策で、小皇帝が6つの財布からわがまま一杯に育てられ、これから急速に日本以上の老化大国になるというのに、この国は若い人が充満しています。中国が、食料輸入国になったのに、インドはまだまだ食料の余力はありそうです。歴史的にこじれている課題もなく、インドはこれから期待できそうな国になりそうです。
by JF1EBPKH
| 2017-07-31 22:20
| 旅
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