毎年、4月20日は切手趣味週間の記念切手が発売される日です。月に雁、見返り美人、ビードロを吹く娘や写楽の海老蔵など、秋の文通週間の切手と並んで、人気があるシリーズです。今年の絵柄は、建仁寺の風神雷神図屏風。切手帳も発売するということで、実に数十年ぶりに郵便局へ並ぶことを覚悟して行きました。何しろ、今回の趣味週間の切手帳は、25,000部しか発行せず、全国約24,000局ある郵便局のうち401局でしか売らないのです。地元の瀬谷局、旭局、保土ヶ谷局などは発売しません。山形、滋賀、徳島、宮崎、佐賀の各県では、県内一局ですよ、発売するのは。何なんでしょうかね。なので新宿郵便局へ行きましたよ。局が開く9時前に間に合うように。会社も遅刻しないようにネ(私は9時半からなのです)。 しかし、8時50分頃に着いたのですが、だあれも並んでなんかいません。あれ、今日の発売ではなかったかな、と思ったくらいです。でも、ATMの利用者のために入口は開いてましたので入っていきますと、記念切手の窓口前に私より少し年長の方がいらっしゃいます。「あのー、趣味週間の切手のために並んでいらっしゃいます?」と声を掛けて尋ねてみますと、「そうですが…」と、その方も少し不安げ。私が中学生の頃は、集配局は8時から開いてました。記念切手の発売日には大勢の人が並ぶので、親父が6時には並んでくれて、私が8時少し前に入れ替わって切手を買い求め、学校は8時半から始まるので急いで走って行ったものです。ところが、結局9時までに並んだ人は私を含めて5人だけ。並んでいるのはいずれも私より年配の方ばかり。待っている間に前後の方と話したことといえば、最近の切手は粗製乱造でちっとも楽しくないとの話ばかり。だから、昨今は選んで切手を買ってるとのことでした。そうなんですね。皆さん、切手の趣味から引いてしまっているんです。日本郵便株式会社はわかっているのでしょうか。 それにしても気が利かないデザインですね。原画は二曲一双の屏風絵ですよ。風神と雷神が左双と右双とで対面しているからいいんじゃないですか。それを、上下で分けてしまって。原画作者は本物を見ているはずですし、その見方も当然わかっているはずです。ああ、それなのに、それなのに。ガッカリですね。これじゃ、ダメでしょ。俵屋宗達に怒られるぜ。